「掃く」お仕事

2020年12月14日

 早いもので、今年も残すところ半月ほどとなりました。そろそろ、大掃除をはじめたご家庭もあることと思います。

 今回は、この時期にぴったりな「掃く」お仕事をご紹介します。

 「掃く」お仕事は、モンテッソーリ教育5つの分野のうち、「日常生活の練習」のお仕事のひとつです。

 「掃く」お仕事で使う用具は、写真のようなものがあります。

 まず、ほうきを運ぶことから、お仕事が始まります。ほうきを左手で持ち上げ、右手でひっかけからひもを外します。ほうきを運ぶ際には、立てた状態で持ってくることを伝えます。(床と平行に持つと、お友達や物に当ってしまうため)周囲への配慮も必要なお仕事です。

 大人は、1ヶ所にゴミを掃き集めることが身についていますが、子どもには分かりにくいので、チョークで円を描かせて目印とします。円の外にゴミを散らばせて、円の中に掃き寄せるようにします。このことを通じて、子どもに円の外と内の概念を印象付けることができます。

 子どもサイズとはいえ、ほうきの柄は長いので、それを上手に扱って、ゴミを寄せてくる動作は意外と難しいものです。ほうきの先が床から離れないように動かさないといけませんし、掃く力をコントロールしないと、円(〇印)を通り越して、反対側にゴミが行ってしまったりします。

寄せたごみは、ブラシを使ってちりとりに集め、ゴミ箱に捨てます。

「きれいになったね~」と声を掛けると、どの子も満足そうに笑顔を見せてくれました。

「掃く」お仕事のめあては、次のようなものです。

 ①環境への配慮(散らかっているものに気づいてまとめる)  

 ②掃除の後の気持ちよさを知る 

 ③丸の中と外の概念を知る 

 ④筋持久力の調整

 モンテッソーリのお仕事では、「掃く」他にも「ブラシかけ」「拭く」などのお仕事があります。

 モンテッソーリ光の子では、3歳児以上になると、給食の後の清掃を子ども達にも協力してもらっています。これも良い「日常生活の練習」になります。

 日常の様々な動作をモンテッソーリ教育では「運動」といいます。ほうきや雑巾などの用具を使って行う清掃の動作は、運動機能を獲得する過程にある子ども達にとって、実はとても魅力的なのです。また、運動によって環境に関わっていくことは、精神的な発達にもつながると考えます。

 大掃除は、忙しくてお子様と関わるのが大変なこととは思いますが、小さな雑巾やブラシを持たせてあげてみてください。

 大人のまねをして、とても集中してお仕事をやってくれることと思います。

 皆さま、良いクリスマス、良いお年をお迎えくださいね。